【能登はいいとこ】移住者は恋に落ちる?

能登の田園 移住者が見た能登

『へえ~さいたまから来たんか。若い人は仕事ないもんですぐ出てってしもうけど畑耕せば楽しいし取れたもん食べとればなんも不自由ない。山にはなんだってある。空気もおいしい。暮らすにはいいとこやよ。』

はい、おばあちゃん。その通りです。

黒光りする瓦屋根と白壁と杉板の外観のお城みたいな大きな家が田んぼや森を背に、あるいは海を脇にして半島全体に点在し、いぶし銀のような統一感がある能登

海にいても山を感じ、山にいても海を感じる半島ならではの雰囲気。
そういう風景が淡々と続いて余計な看板もなければわざとらしさで興ざめすることもありません。
この整った田舎の風情に私はヨーロッパの田舎を旅した時と同じ感慨を抱きます。それは決して思いすごしではありません。奥能登は普段着の田舎ホンモノ度数が高いのです。

ふるさとという原風景の発見

今朝獲れた魚、そこで採ってきた山菜、みたこともないキノコ(コケ)、庭先の立派な野菜、完熟した果実など東京の料亭でも出てこない超新鮮食材が玄関に置いてあったりします。

どこにでもある自分たちの祭り。途切れぬ宴と火と鉦(かね)の音。キリコを担ぐ男衆がカッコいい。見守る女衆が色っぽい。ここは神様がいるところ。

雪景色のマジック、暗闇に輝く星とホタル、海の彼方の白銀の峰、家族で守り伝える深紅の花。土の匂いの笑顔、磯の香のまなざし、図書館のような老人、自然を恵みにかえる自給力の高い暮らし。

そんなことが当り前な能登びとの住まう国で私は自分にない「ふるさと」を探しに来たのです。

【編集後記】こんなふうに移住者は恋に落ちます。たとえ片思いであってもはじめに感じたその輝きは地域の真実をあぶり出しています
それを耳にした地元の人がそんなのは当たり前だといいながらも誇らしくなれた時、移住者はひとつの役割を果たしたと言えるでしょう。

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