【縄文ウォッチング】土器にドキドキ

能登観光ガイド

NOTO FIEILD NOTE illustrated by a. yamazaki  無断転載を禁じます。

能登の真脇にある四千年間も縄文人が住み続けた長期定住遺跡は「考古学の教科書」です。
いわゆる持続可能性の究極の答えがここに眠っているかもしれません。
(以下、スケッチの書き起こしです)

縄文真脇遺跡

4000年間の長期定住遺跡(6000年前から2300年前まで)

縄文時代は木の文化・森の文明
・ドングリを煮炊きし主食とする。
・森を熟知し、山の恵みを得、最適な材料を使い分けた。
真脇遺跡はさらにイルカ漁で安定した
*地下水で密閉されていたので、ふつうは腐りやすい植物質の出土品の保存状態がよい。

環状木柱列(ウッドサークル)

クリの巨木の一枚板を10枚、直径7mの円形状に並べた遺構。
北陸特有で目的不明「聖なる場所?」
木柱列の配置図 切断面を外側にしている。ゲートがある?
復元柱 直径90㎝ 地上部高さ7m 地中部深さ1m
出土した基底部 引き綱を通す凹加工
柱に綱を結わいて大勢で運んだらしい。それは周辺の村が結束した「祭り」だったろう。

真脇式土器

網目文様を見るとドキドキする…。
お魚さん土器 波状突起がさかな 胴部のふくらみ
鳥さん土器 祭祀用か!縄文人はクリエーター! これレプリカでいいから欲しい。

土製仮面

オペラ座の怪人みたい
ヒモを通す穴がある。

彫刻柱

クリの丸太の彫刻柱 高さ2.5m 直径45㎝
「イルカの魂送り」をしたかもしれない。
長期定住を支えた最大の理由はイルカ。回遊コースにあたるため毎年夏に漁をすることができた。
大量の肉は分配され保存した。ダイナミックに交易したかもしれない。
カマイルカの頭骨 285頭のイルカの骨がみつかった。イルカを湾内に追い込み、突取法で捕えた。

板敷き土墳墓

真脇だけの墓の形。杉板の上に屈葬されている。

道具

(ベンガラ)
編物

【編集後記】
縄文人は原始人ではありません。わたしたちとほとんど変わらない身近な存在です。土器はもちろん木製品もたくさん作って漆塗りさえ施していた木の文化を持ち、日本人の基層に深くその痕跡をとどめています。
文字を残さなかったのでその暮らしぶりや精神世界を想像するしかありませんが、自然豊かな地方の暮らしを見ていると縄文時代からの採集の知恵や工芸の技が連綿と受け継がれているように感じられます。

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