【キリコ奉燈】能登独特の祭り道具

能登観光ガイド

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お祭り半島・能登にしかない独特なものといえばキリコ。元々は神輿を先導する明かりですが、すっかり主役を奪ってキリコ祭りと呼ばれています。この障子のバケモノに描かれた絵や文字はろうそくが灯ると浮かび上がります。男衆はこれを担ぎ荒々しく練り歩きます。
(以下、スケッチの書き起こしです)

キリコの作り方

キリコ=切子灯籠 神様のお明かしとして神輿を先導する
キリコ祭りは能登独自のもの。
神社には大きな倉庫があり、その中にキリコがしまってある。毎年祭りの日の朝に当番が組み立てる。

①本体のを持ち上げたまま屋根固定する
屋根=天井板と風鈴がついている
枠=四本柱からなる。

力を合わせて起こす。キリコが立ち上がると一挙に祭りらしくなる。
押し上げながら前へ前へ
土台がずれないように押さえる
ぐらつかないように縄で調整する。

担ね棒(かたねぼう)を入れる
大黒柱になりそうな木一本分の角棒で一番重いパーツ。この長さで担ぐ人数が決まってくる。
本体と担ね棒の固定の仕方は様々だが、要所々々は(くさび)でとめる。

中福(胴)をはめ込む
キリコは巨大な行燈(あんどん)。障子を合わせたような中福(なかふく)の部分が照明となる。
中福の前面は縁起のよい文字、後面は在所名が浮き字で描かれる。

飾りをつけて完成
ゴヘイ・タカボンボリ・タイコマク・コシボンボリ
セキイタを付け支柱とする。静止時の安定の為。
夜になったらろうそくに点灯する。

胴(なかふく)の内部
何段もある燭台になっている。
横の傍障子を上下にスライドして開けて、和ろうそくをセットする。
柳田地区ではろうそくを灯す昔ながらの風情を好む。

【編集後記】
普段は分解され神社の倉庫に眠るキリコ。だから祭りの日はその組み立てから始まります。朝早くから地域の者が集まって手順を思い出しながら、回り道しながら、冗談言いながら、無理せず、上も下もなく、やわやわ~っと、ゆるゆる~っと組み立てていきます。
現場監督はいません。作業効率を求めません。マニュアルもありません。当番になった知った者同士、自ら進んで、その人らしくやれることを探すのです。
お祭りはみんながやんならんこと。楽しくて面倒で労力もお金も使いますが人それぞれ。その人らしさがそのまま認められ、自分が村の一員だと確かめられる年に一度の行事、それがお祭りというものです。

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