【お茶炭】炭焼き一期一会

なりわいガイド

NOTE FIELD NOTE illustrated by a.yamazaki 無断転載を禁じます。
(以下、スケッチの書き起こしです)

『炭焼きはひと窯ひと窯。同じものは焼けない。楽しみでもあり苦しみでもある』

炭化= 外から加熱 + 酸素 ➡ 炭が残る
燃焼=自ら発熱  + 酸素 ➡ 灰が残る

炭焼窯 正面

天井は何十回も焼いた土(貴重品)
窯は粘度製
コガマ・タキグチは珪藻土の戸板。外せる・軽い・保温
炭出しの時にはコガマを開ける。
右側に生木を置く。
左側に炭木を出す。
屋根で風雨を防ぐ。

炭焼窯 横断面

手前からタキグチ(天井)・(煙突)・排水口
オを開いたり閉じたり煙色を見たり。
軟木を敷きつめ、立て木を並べ、上げ木を載せる。
立て木は炭に、上げ木は燃料で上から炭化する。
窯の手前は灰になりやすい。よい炭は奥。
『手前が灰になるのを恐れてはよい炭はつくれない』

炭焼き日程

1日 木を窯に詰めこむ。
4日 乾燥 オを閉じタキグチから薪を燃やす。3日3晩つきっきり。
3日 本づけ オを開きタキグチを閉じる(炭化)。このタイミングが重要。
7日 密閉消火 自然に冷めるのを待つ。
15日目に炭出し

炭づくり(切りそろえ)

今は電ノコでカット
立て木は 4尺(120㎝) 。根本(元口)を上にし、炭木とする。
元口が一番炭化が進む。元口から1尺は焚炭、2尺が茶炭に適する。

お茶炭

茶道の湯わかし用熱源 主にクヌギが好適
胴炭   長さ5寸
丸ぎっちょ 
2.5寸
割ぎっちょ 
2.5寸
丸管炭   
5寸
割管炭  
 5寸
点炭   
 2.5寸
枝炭
    5寸

裏千家炭手前
茶会では美しい菊炭が喜ばれる。断面の放射状の割れ目模様が菊の花を思わせる。樹皮も残す。
茶の湯炭の燃え具合によって各手前のタイミングを計るそうだ。

炭焼きも茶道も一期一会

【編集後記】
『仕事はなんでもそうですが、探求すると非常に深いものがある。中途半端ではだめです。評判上げるのは難しいが信用落とすのはたった一本の炭でパーですわ。とはいうても遊び心も大事。仲間には“楽しみをもってやらんかい”と言っとります。』(当目の炭焼き名人・小箱政治さんの言葉)

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